小児科ブログ

【牛乳アレルギー】アレルギー用ミルクってなに使えばいいの?

0歳代の食物アレルギーの第2位は「牛乳アレルギー」です。

食物アレルギー診療の手引き2020

0歳代で牛乳アレルギーとなった場合、アレルギー用ではない、普通ミルクを飲むことができるのかと言う問題が生じます。

牛乳アレルギーがある子ども達全員にアレルギー用ミルクが必要な訳ではありませんが、牛乳タンパクの完全除去が必要な子ども達がミルクを使用する場合には、アレルギー用ミルクを使用することが必要になります。

アレルギー用ミルクには代表的には以下のような3つの分類があります。

食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022

①牛乳アレルギーの原因タンパク質の分子量を小さくすることでアレルギーを起こしにくくした「加水分解乳」

②アミノ酸を混合してミルクの組成に近づけた「アミノ酸乳」

③牛乳タンパク質の代わりに大豆を使用した「大豆乳」

の3つです。

使い方の基本ですが、アレルギー用ミルクが必要であれば①「加水分解乳」をまず使用します。それでもアレルギー症状が出現するようであれば②「アミノ酸乳」を使用します。③「大豆乳」については大豆アレルギーがない方に対する選択肢として提示しています。

ここで注意が必要なのは「ペプチドミルクE赤ちゃん®」(森永乳業)です。アレルギー用ミルクだと思って使用されているご家族と何人もお会いしましたが、「ペプチドミルクE赤ちゃん®」はアレルギー用ミルクではありません。「ペプチドミルクE赤ちゃん®」は部分加水分解乳と呼ばれ、牛乳アレルゲンを除去したミルクよりも分子量が大きいペプチドが含まれているため、牛乳アレルギーの子ども達用のミルクとは位置付けられていません(食物アレルギー診療ガイドライン2021)。注意して使用してください。

また、以前はアレルギー用ミルクのいくつかには、「セレン」という体内に必要な微量元素が入っていなかったのですが、各社の商品のアップデートにより、セレンなどの微量元素が加わりました!

 

当院で実際にどのような食物アレルギー診療をしているかはコチラをご覧ください!