小児科

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ドクターインタビュー

私たちは最善の医療を 提供することをお約束します
小児科主任部長 貴達 俊徳

#01 乳児期の子ども達とその家族に関わる小児アレルギー診療を専門に

 どの小児科を標榜するクリニック・病院でも蕁麻疹やアナフィラキシーの対応などでアレルギーの方を診ることはたくさんあります。茨城県内の医療機関で、緊急時の治療法としてはある一定の共通の対処法がありますが、「どうやって食べられるようにしていくか」という普段の食物アレルギーの管理という点では、医療機関によってやり方が様々で、共通しておらず、まだまだ茨城県は先を走っているわけではないと感じていました。そこで自分が勉強して広めていきたいと思ったことが小児の食物アレルギーに特別興味を持ったきっかけです。
また、以前から子育ての一番最初の乳児期という、1歳までの劇的に変化していく発達段階に興味がありました。ご家族にとっても分からないことだらけで寝不足にもなり、大変な時期だと思います。小児アレルギーは0歳代で発症することが一番多いですので、そういった大変な時期に医療者として寄り添っていきたいと思ったのもあり小児アレルギーの道に進みました。
一度は医学とは別の道に進み、埼玉大学の教育学部で心理学を勉強していたのですが、その中で子ども達とその家族と関わる機会がとても多く、子ども達とその家族の家族関係の構築に関わりたいと思っていた自分にとっても、小児アレルギーの分野は自分のやりたいと思っていた分野と一致しました。

#02 食物アレルギーについての知識を発信していきたい

 私は茨城県の鹿嶋市の出身なのですが、地元の茨城県がとても好きですし、茨城県外でずっと働こうとはあまり思わなかったです。2021年3月までアレルギー診療で日本をリードしている病院で働いていましたが、その病院で働きながら、まだまだ茨城県のアレルギー診療は遅れをとっているなと思うところもあり、自分で知識を身につけて勉強したことを地元に還元したいと考えて診療を行っています。
食物経口負荷試験は食物アレルギー診療のアクティビティの高さを測る指標の一つになりますが、過去の指標では茨城県は全国の中でも40位前後1)と下の方に位置していますので、この結果をどうにか良くしていきたいと考えています。
アレルギーについて知りたいと思っていらっしゃる保護者の方や一般の方に向けて、茨城県と協力しながら、定期的に地域での勉強会も開いており、今後とも開催していきたいと思っています。100名ほどの方が参加してくださり、小児アレルギーに興味がある方は非常に多いということを実感しています。

#03 アレルギーでお悩みのご家族の負担を軽くしたい

 食物アレルギーは0歳代で離乳食を食べ進めている時期に発症することが一番多く、例えば初めて卵白を摂取した時に全身に蕁麻疹が出て、保護者の方が気付かれるというパターンが多いです。原因アレルゲンとして一番多いのは卵・牛乳・小麦・大豆などです。よくあるケースとしては卵ボーロやヨーグルト、うどんやパン、豆腐などを食べた時に発症する場合があります。
厚生労働省が出している離乳食の進め方のガイドラインというものがありますので2)、それに沿って少しずつ食べ進めていくということが大事です。いきなり一気にあげるのではなく、最初のうちは耳かき1さじ程度の少量から食べ進め、またアレルゲンを含む食事を完全に後回しにしてしまうよりは、0歳代から少量ずつ食べさせることが大事です。
お母さんからすると0歳代の新生児・乳幼児の赤ちゃんは授乳もありますし、なかなか睡眠時間もとれない中で、食べ物まで気を付けなければいけないというのは大変だと思います。お母さんの負担も大きいと思いますので、丁寧にお話をお伺いして、お子様に適した治療方法のご提案など、出来るだけサポートしていきたいと思っています。

#04 皮膚のケアもアレルギー予防において重要

 湿疹がある皮膚からアレルギーの原因となるアレルゲンが入るとアレルギー発症のきっかけとなるアレルゲン特異的IgE 抗体ができてしまう可能性があり、結果的に、アレルギー反応が起こりやすくなってしまいます。湿疹がある皮膚は食物アレルギーの発症リスクであると言えます。
よって、離乳食を始めるまでに、赤ちゃんの皮膚を健康な状態に保つことが、食物アレルギーの予防に大切です。当院では乳児健診も行っていますので、発症予防という形で皮膚のケアの仕方などをお話ししています。
最近では赤ちゃんのスキンケアをすることは当たり前になっていますが、昔は現在のように常識ではなく、お父さんお母さんに理解していただいても、その上の世代の方に理解していただけない、ということもあります。そういった時には、スキンケアについてわかりやすく書かれているチラシやパンフレットをお渡ししたり、アレルギー科の先生が書いた本を貸し出したりなど、おじいちゃんおばあちゃん世代に対しても理解をいただくようにしています。

#05 地域の先生方へ

 水戸済生会総合病院の小児科と、茨城県立こども病院では連携をしながら負荷試験や外来診療を行なっています。当院での負荷実験数も2021年度には200件程プラスになりました。年間で500〜600件程度実施したいと思っています。
地域の先生方に対しては、食物アレルギーかなと思ったら、もうそれは紹介どきと思っていただいて問題ないと思っています。診断がついていなくても全く問題ありません。以前に比べ対応できる範囲も何倍にも拡大しましたので、いつでも紹介していただければと思います。
1) 今井 孝成, 海老澤 元宏. 全国経口食物負荷試験実施状況-平成23年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査から. アレルギー: 2013. 62(6). 681-688
2) 厚生労働省. 授乳・離乳の支援ガイド: 2019
3) 日本小児アレルギー学会. 食物アレルギー診療ガイドライン2021
貴達 俊徳 (きたつ としのり)
職名 主任部長
出身大学(卒業年) 東海大学(平成26年)
専門領域 小児一般臨床
小児アレルギー学
認定資格等

日本アレルギー学会 アレルギー専門医
日本小児科学会 小児科専門医
日本禁煙学会 禁煙認定指導医
茨城県小児アレルギー研究会 世話人
県央小児救急医療研究会 世話人